2009年01月28日
うんこを食う女が奏でる男の愛し方
本の装丁もそそる。そして、最近では見かけなくなった「腦」という旧漢字と「まゐります」という旧仮名遣い。とにかく怪しい(笑) 私の好奇心が毛羽立ってくる。この感じはいわゆる怖いもの見たさに通じるものがあろう。あるいは「開かずの間」をほんの少し隙間を開けて、覗き込もうとするときのわくわくする気持ちに似ている。
この本に関しては、実物を見るまで「若合春侑(わかい すう)」という作家もタイトルの小説も寡聞にして知らなかった。だが、本作にせよ、併録されている「カタカナ三十九字の遺書」にせよ、芥川賞候補にのぼった作品である。ちなみにこの作家は、本作含め三作が立て続けに芥川賞候補になっており、若合氏は表題作で文学界新人賞を受賞している。
と……まぁ氏の実績紹介はそれくらいにして、早速本作ともう一作の「カタカナ三十九文字の遺書」について話してみたい。 続きを読む